孤独死とは何でしょうか?
聞いたことはあっても、どういう意味か知っている人は少ないかもしれません。
現在、孤独死に対しての明確な法的定義はありませんが、一般的には一人暮らしの人がその家で突然の病気や事故で、誰にも気づかれることなく死ぬことを指します。
1970年頃に、独居老人が死後長いあいだ放置され久々に訪ねてきた親族によって発見されたという報道が最初と言われていて、それからマスメディアにたびたび取り上げられるようになりました。
最近この孤独死が急増していて社会的に問題視されています。今回は孤独死について、その起こってしまう原因と対応策について見ていきましょう。
孤独死が起きる理由
基本的に孤独死が起きやすいのは、都市部などの地域のコミュニティが希薄なところや、そもそも民家の数が少ない過疎地です。他に、生活様式の特徴としては、
- 高齢
- 独身
- 仕事を持たない
- 慢性疾患を持つ
- 隣家に関心の薄いアパートなどの賃貸住宅
- 親族がいない、または近くにいない
などが挙げられます。
基本的に、社会との関わりが少ない人ほど死んでも気づかれづらく孤独死になってしまうことが多いようです。
特に日本の場合、高齢の両親と離れて暮らしているという家族は多いです。
その場合、自然と訪問する機会は減るし、連絡を頻繁に取り合うことがなくなるということもあるでしょう。
こういう家族形態が多い日本で孤独死が多くなるのも納得できます。
近年の日本では孤独死が急増していると言われています。これはなぜなのでしょうか?
孤独死が増えている理由
現在の日本では、昔に比べると地域間のつながりやコミュニケーションがどんどん薄れていっています。
具体的には回覧板を回す、近所の公園を掃除する、町内のイベントに参加するといった付き合いのことです。
これらの付き合いが嫌で都会のマンションに引っ越す人もいるほどです。
他にはソーシャルメディアの普及も一因だと考えられます。フェイスブックやツイッターなどで簡単に見知らぬ人と会話できるようになったことでより一層現実世界での家族や近所付き合いが減ってしまうのです。
孤独死が近年で増えている原因にはこうした社会状況がありそうです。
日本の現状
では実際日本ではどのような状況になっているのでしょう?
内閣府発表のデータによると、高齢者の8割以上が持ち家に住んでおり、家庭内事故が多くなっています。
もっとも多い場所は「居室」で45%、次いで「台所」が17%となっています。多くの高齢者は部屋で危険な目にあっているのかもしれません。
次のグラフを見てください。
(画像はhttps://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_6.htmlより引用)
前の見出しで見た通り、高齢者の約4人に1人は地域で「あまり付き合っていない」または「全く付き合っていない」と回答していることがわかります。
このように地域社会での交流が減っていることはデータにも出ています。
次に、もうひとつのグラフを紹介します。
(画像はhttps://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_6.htmlより引用)
孤独死を身近な問題だと感じている人の割合は高齢者全体で見ると17.3%ですが、一人暮らしの人に目を向けると45.4%と4割を超えていることがわかります。
多くの高齢者が不安に感じている孤独死の問題を対策することは急務と言えるでしょう。
孤独死を防ぐためのサービス
孤独死を防ぐサービスのひとつに老人見守りサービスというものがあります。
これは高齢の両親が遠くに住んでいて心配であるものの仕事や家庭の事情により同居しての介護は厳しいという人のためのサービスです。
離れて暮らす家族の状況を確認し、状況に応じて高齢者をサポートしてくれます。
サポートの種類は数多くあるのでニーズに沿ったサービスを受けられます。以下は代表的なサービスの例です。
・訪問型
スタッフが定期的に自宅を訪れ、安否確認をします。
・センサー型
高齢者の自宅に設置したセンサー機器により安否確認します。
・オート電話、オートメール型
自動配信の電話、メールで高齢者と家族が安否確認のやりとりを行えます。
・カメラ型
高齢者の自宅にカメラを設置します。
・宅配型
食事、郵便物の配達時に安否確認します。
まとめ
このように今日本で孤独死の問題はとても大きなものになっています。孤独死についてよく知り、少しでも多くの孤独死が減ることを願っています。高齢者が1人寂しく死ぬことが内容に周りのサポートが必要です。